
Q. 親族間売買の住宅ローンはノンバンクしか選択肢がないのですか?
親族間売買を調べていると、「銀行では難しい」「ノンバンクしかない」といった情報をよく目にします。
親族間売買の住宅ローンは、金利の高いノンバンクしか通らないのでしょうか?
A. いいえ。条件次第では、銀行や信用金庫などで低金利(1~2%台)で組めるケースがあります。
親族間売買に精通した専門家が、金融機関の選定や案件の打診を適切に行うことで、銀行や信用金庫などの低金利の住宅ローンとして審査を通せるケースは少なくありません。
当事務所でも、これまでにサポートした50件超の親族間売買のうち、多くのケースで銀行・信用金庫での融資を実現しています。
目次
- なぜ「親族間売買 住宅ローン」で検索するとノンバンクばかり上位に表示されるのか
- ノンバンク(金利4〜5%)と銀行・信用金庫(金利1%台)では総返済額がどれくらい違うのか
- 銀行・信用金庫の審査が通るケースとは
- ノンバンクが適しているケースと、利用時の注意点
- 不動産業者の「まずノンバンク」という提案を鵜呑みにしてはいけない理由
- まとめ:ノンバンクは“最初の選択肢”ではなく“最後の手段”
なぜ「親族間売買 住宅ローン」で検索するとノンバンクばかり上位に表示されるのか
セゾンファンデックス、L&Fアセットファイナンス、アサックス(不動産担保ローン)といったノンバンク各社は、長年にわたり多くの関連ページを公開し続けてきた実績があるため、Googleからの評価が高く、検索結果の上位に表示されやすい傾向があります。
また、任意売却専門業者や一部の不動産業者がノンバンクを積極的に紹介する背景には、ノンバンクの方が審査が早く、通りやすいという事情もあります。
銀行・信用金庫に比べて手続きがスムーズに進むため、業者側にとってもノンバンクは扱いやすい選択肢になります。
しかし、「検索して最初に出てきた会社=自分にとって一番いい選択肢」とは限りません。
検索結果はあくまで参考のひとつとして、選択肢を広く検討することが大切です。
ノンバンク(金利4〜5%)と銀行・信用金庫(金利1%台)では総返済額がどれくらい違うのか
借入金額2,000万円・返済期間25年で比較します。
| 金利 | 月返済額 | 利息の合計 | 総返済額 | |
|---|---|---|---|---|
| 銀行・信用金庫 | 1.5% | 約8万円 | 約397万円 | 約2,398万円 |
| ノンバンク | 4.5% | 約11.1万円 | 約1,335万円 | 約3,335万円 |
| 差額 | 3.0% | 約3.1万円 | 約937万円 | 約937万円 |
金利3%の差が、25年間で約937万円もの総返済額の差になります。
同じ親族間売買でも、どの金融機関で借りるかによって返済総額は大きく変わります。
銀行・信用金庫の審査が通るケースとは
そもそも銀行が親族間売買に消極的なのは、「贈与税逃れの仮装売買」や「住宅ローンを事業資金へ流用する不正」などを警戒しているためです。
そのため、正当な売買であることを示す理由付けと、透明性のある書類準備が不可欠になります。
以下の条件が揃っている場合、銀行・信用金庫での審査が通る可能性があります。
- 売買価格が時価に基づいており、売買の合理性が説明できる
- 安定した収入があり、返済比率(返済負担率)が基準内に収まっている
- 個人信用情報に問題がない
- 不動産会社による仲介が入っている(第三者の関与がある)
- 適切な金融機関を選定し、案件の打診方法が適切である
最後の「金融機関の選定と打診方法」が特に重要です。
同じ案件でも、どの金融機関に、どのような形で持ち込むかによって結果が大きく変わります。
一般的な住宅ローン(保証会社を利用)で否決されたとしても、金融機関が独自に判断する「プロパー融資」で道が開けるケースもあります。
こうした融資形態の使い分けや、金融機関ごとの特徴を踏まえた打診が、審査を通すための大きな鍵となります。
ノンバンクが適しているケースと、利用時の注意点
以下のようなケースでは、ノンバンクが現実的な選択肢となることがあります。
- 返済比率(返済負担率)が銀行・信用金庫の基準をオーバーしている
- 担保としての不動産評価が十分に出る物件である
- 既存住宅ローンの完済が目的ではなく、事業資金の完済や税金滞納の解消などが目的になっているケース
- 個人信用情報に問題があり、銀行での審査が難しい
- 急ぎの融資が必要で、スピードを最優先したい
ただしノンバンクを利用する際は、金利の高さによって総返済額が大きく増える点を十分に理解したうえで判断する必要があります。
なお、ノンバンクを利用せざるを得ないケースの場合、一定期間返済実績を積んだ後に、銀行・信用金庫への借り換えを検討される方もいます。
将来的な借り換えを視野に入れた戦略は、有効な選択肢のひとつです。
ただし注意点として、多くのノンバンクでは中途解約(繰上返済)の際に、返済元金の2〜3%の手数料(違約金)が発生します。
そのため、借り換えを検討する際は、この点も含めて総コストを試算することが重要です。
不動産業者の「まずノンバンク」という提案を鵜呑みにしてはいけない理由
一部の不動産業者や任意売却専門業者は、審査が通りやすく手続きがスムーズなノンバンクを積極的に紹介する傾向があります。
そのため、「銀行では難しい」と最初から結論づけて、ノンバンクへ誘導するケースがあることは知っておくべきです。
銀行・信用金庫での可能性をきちんと検討したうえで、それでも難しい場合の最終手段としてノンバンクを位置づけることが、依頼者の利益に最も適った進め方です。
まとめ:ノンバンクは“最初の選択肢”ではなく“最後の手段”
- 親族間売買の住宅ローンは、ノンバンクしか選択肢がないわけではない
- 銀行・信用金庫と比べた金利差は、総返済額で数百万円規模になることがある
- 適切な金融機関の選定と打診方法によって、低金利での融資が実現できるケースがある
- ノンバンクは「最初の選択肢」ではなく、「最後の手段」または「将来の借り換えを前提とした入口」として位置づける
- ノンバンクの中途解約(繰上返済)には返済元金の2〜3%の手数料(違約金)がかかるため、借り換えを視野に入れる場合は総コストの試算が不可欠
「自分のケースではどうなのか」と感じられた方は、まず一度ご相談ください。
あわせて読みたい:
親族間売買の全体像と対策
今回のような「審査否決」を乗り越えて住宅ローンを通すための具体的なノウハウや、当事務所のサポート事例(50件超)については、以下のメインページで詳しく解説しています。
[→ 親族間売買で住宅ローンが組める銀行と通し方を詳しく見る]
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