
Q. 親族間売買の相談はどこにすればいいのですか?
司法書士・弁護士・税理士・不動産会社など、どこに手続きを依頼すればいいのか分かりません。
親子間で不動産の名義を変えたいと考えています。
調べてみると、司法書士・税理士・弁護士・不動産会社・ファイナンシャルプランナーなど、さまざまな専門家が出てきて、どこに相談すればよいか分からず困っています。
住宅ローンの利用も検討しているのですが、どの専門家に依頼すれば一番スムーズに手続きが進むでしょうか?
A. 「住宅ローンを使うかどうか」「売買の合意ができているかどうか」など、置かれている状況によって、最適な相談先が変わります。
以下で、ケース別に最適な相談先を整理します。
【動画で解説】親族間売買の相談先はどこ?専門家の特徴をケース別に解説(1分30秒)
お急ぎの方や移動中の方は、まずこちらの動画(1分30秒)でポイントをご確認ください。
目次
1. 親族間売買は、なぜ「誰に頼むか」が重要なのか
親族間の不動産売買は、一見すると当事者同士で話がついているため簡単そうに見えますが、実際にはさまざまな注意点があります。
特に、住宅ローンなどの融資が絡む場合、金融機関は以下の資料・対応を専門家や不動産業者に求めてきます。
- 売買代金の妥当性を示す根拠資料(不動産査定書・評価レポートなど)
- 売買契約書・重要事項説明書の作成(宅地建物取引業者による作成・説明が必要)
- 売買の必要性・合理性の説明
また、身内同士の売買であっても、第三者である専門家を間に入れることで、手続きをより安心・安全に進められるケースは少なくありません。
では、親族間売買の場合、具体的にどの専門家に相談・依頼すればよいのでしょうか。
以下で、状況別に整理します。
2. ケース別:最適な相談先の選び方
ケース① 登記だけ依頼したい(住宅ローンなし)
以下の条件がすべて当てはまる場合は、登記の専門家である司法書士に手続きを依頼するのが適切です。
- 売買当事者間で売買代金の合意ができている
- 贈与税・譲渡所得税などの税金リスクについて把握している(または税理士に確認済み)
- 住宅ローン等の金融機関借入れは利用しない
- 不動産の現地調査・法令上の制限確認(再建築可否・ライフラインの状況等)は不要
- 登記手続きだけを専門家に任せたい
司法書士は不動産登記の専門家ですが、宅地建物取引業の免許がなければ、重要事項説明書の作成や不動産取引の仲介(媒介)を業として行うことはできません。
そのため、住宅ローンの審査に向けた金融機関対応も業務範囲外となります。
ケース② 当事者間で話し合いができない(絶縁状態・紛争あり)
売買の当事者が絶縁状態にあったり、価格や条件をめぐって争いが生じている場合は、弁護士への相談が必要になります。
弁護士は業として法律事務(鑑定・代理・仲裁・和解等)を行うことができます(弁護士法第72条)。
ただし、弁護士も宅地建物取引業の免許を持たない限り、不動産売買の仲介や重要事項説明書の作成を業として行うことはできません。
なお、絶縁状態・紛争ありの状況で、共有不動産の持分だけを売買したい場合に、共有持分を専門に買い取る業者を利用するという選択肢もあります(ただし、買取価格が市場価格より低くなるケースが多い点に注意が必要です)。
ケース③ 住宅ローンを利用したい
親族間売買で住宅ローンの利用を希望する場合、対応できる専門家の範囲はかなり絞られます。
金融機関が融資を実行するためには、原則として以下の対応が必要です。
- 宅地建物取引業者が作成・交付した重要事項説明書(宅建士による説明付き)
- 売買代金の妥当性を示す不動産査定書または評価レポート
- 売買の必要性・合理性の説明
重要事項説明書は宅地建物取引業者でなければ作成・交付できないため、宅地建物取引業免許を持つ事業者への依頼が不可欠です。
さらに、親族間売買に慣れていない金融機関担当者でも審査が通りやすくなるよう、案件の背景・合理性を分かりやすく説明した補足資料(案件概要メモ・相関図・スキーム図など)を用意できる専門家であることも重要なポイントです。
ケース④ 売買以外の手法(贈与・遺言・家族信託など)も含めて検討したい
不動産の名義を変えたい目的・事情によっては、「売買」よりも「贈与」「遺言(相続)」「家族信託」「代物弁済」などの手法の方がメリットが大きいケースもあります。
こうした場合には、売買に限らず、財産承継に関するさまざまな手法を横断的に提案できる専門家への相談が適切です。
この点、行政書士は、遺言・相続・贈与・家族信託・金銭消費貸借契約など、財産承継に関わる幅広い契約書・書類の作成を業務として行うことができます。
3. 各専門家の特徴比較(メリット・デメリット)
親族間売買のサポートができうる各専門家の一般的な特徴を、以下の表にまとめます。
| 専門家・事業者 | 主な業務範囲 | メリット | デメリット・注意点 |
|---|---|---|---|
| 司法書士 | 不動産登記、登記に関する書類作成 | 登記手続きのプロ。登記のみであれば費用が抑えやすい。 | 宅建業免許がなければ、売買仲介・重要事項説明書の作成・住宅ローン対応は業務範囲外。 |
| 弁護士 | 法律相談、交渉代理、訴訟 | 当事者間に紛争・対立がある場合の交渉や調停・裁判に対応できる。 | 宅建業免許がなければ売買仲介・重要事項説明書の作成は業務範囲外。費用が高額になりやすい。 |
| 一般の不動産会社 | 不動産売買仲介、査定、契約書・重要事項説明書の作成 | 売買契約書・重要事項説明書の作成ができる。物件調査にも対応。 | 親族間売買の実務に不慣れな場合が多く、住宅ローン対応・金融機関交渉のノウハウが乏しいことも。仲介手数料(売買代金の3%+6万円)が双方にかかるケースが多い。 |
| 行政書士 (宅建業免許なし) |
各種契約書・書類の作成 | 遺言・相続・贈与など財産承継手続きと組み合わせた提案ができる。 | 宅建業免許がなければ売買仲介・重要事項説明書の作成・住宅ローン対応は業務範囲外。 |
| 当事務所 (行政書士×宅建業) |
親族間売買の一括サポート(売買契約書・重要事項説明書の作成、住宅ローン対応、関連書類整備、財産承継提案) | 宅建業免許により重要事項説明書・売買契約書の作成が可能。住宅ローン付けの豊富なサポート実績。売買以外の手法も含めたトータル提案が可能。費用が抑えやすい(両手仲介なし)。 | 登記申請の代理は行わない(金融機関指定またはパートナー司法書士と連携)。 |
※ 上記は一般的な特徴をまとめたものです。
個別の事務所・会社によって対応範囲が異なる場合があります。
4. 「行政書士×宅建業」という選択肢
当事務所(当社)について
当事務所(当社)は、行政書士事務所であり、かつ、不動産仲介業(宅地建物取引業免許 東京都知事(3)第94647号)を行うことができる財産承継コンサルティング会社(Change&Revival株式会社)です。
2008年から親族間の不動産売買手続きのサポートを専門として行っており、現在はメール・電話・面談合わせて年間100件ほどのご相談に対応しています。
当事務所(当社)の主な特徴
- 2008年から専門として取り組んでいるため、親族間売買特有のノウハウが積み上がっている
- 難易度の高い「住宅ローンを利用した親族間売買」のサポート実績が豊富
- 行政書士として、売買だけでなく「贈与」「遺言」「相続(代償分割)」「代物弁済」「家族信託」など、目的に合った最適な手法をトータルに提案できる
- 追加費用なしで、金融機関の審査を円滑に進めるための補足資料(案件概要メモ・相関図・スキーム図・不動産評価レポート・返済シミュレーション・資金計画表・譲渡所得税シミュレーション等)を作成
- 売買の当事者(売主・買主)の双方から仲介手数料(いわゆる「両手仲介」)をいただくことはなく、諸経費が抑えられる
- 必要に応じて、税理士・司法書士・不動産鑑定士・弁護士などの専門家と連携
- 登記については、金融機関指定またはパートナー司法書士と連携して対応
- 北は青森県、南は沖縄県まで、全国の案件に対応(メール・電話・オンライン面談、必要に応じて出張)
- 手続きの実務は代表の鉾立が対応するため、担当者による経験値のばらつきがない
※当事務所に親族間売買のご相談にいらっしゃったお客様が、面談の結果、売買以外の手法の方がメリットが大きいと気づかれることも少なくありません。
5. よくある追加質問
Q5-1. 不動産会社に親族間売買を依頼しようとしたところ、断られました。
なぜですか?
A. 一般的な不動産仲介会社は、売主から物件を預かり、買主を見つけることで仲介手数料を得るビジネスモデルとなっています。
親族間売買の場合、すでに売主・買主が決まっているため、通常の仲介業者にとって収益化しにくく、また親族間売買特有のリスク(主に金融機関対応・税務リスク等)に不慣れなことから、断られるケースが多くあります。
親族間売買の実績が豊富な専門家に相談することをお勧めします。
Q5-2. 相談だけでも費用はかかりますか?
A. 当事務所では、『無料個別相談』を実施しています。
お気軽にご連絡ください。
Q5-3. 親族間売買を司法書士に依頼すると、住宅ローンは組めませんか?
A. 司法書士は登記の専門家ですが、宅地建物取引業の免許がなければ、金融機関が融資の前提として求める「重要事項説明書」の作成・交付ができません。
そのため、住宅ローンの利用を希望する場合は、宅地建物取引業免許を持つ事業者が手続きに関与することが必要です。
司法書士が別途宅建業者と連携しているケースもあるため、依頼先の対応範囲を事前に確認することをお勧めします。
Q5-4. 行政書士だけに依頼することはできますか?
A. 行政書士であっても、宅地建物取引業免許を持たない場合は、売買の仲介・重要事項説明書の作成を業として行うことはできません。
住宅ローンの利用を希望しない場合や、登記書類以外の契約書類の作成のみを依頼したい場合であれば、行政書士への依頼も選択肢の一つです。
ただし、金融機関融資が絡む場合は、宅建業免許を持つ事業者への相談をお勧めします。
Q5-5. 親族間売買の相談先として、税理士に相談するのはよいですか?
A. 親族間売買に伴う税務(贈与税・譲渡所得税など)については、税理士への相談が有効です。
ただし、税理士は売買手続きの実務(売買契約書・重要事項説明書の作成、住宅ローン対応など)を業として行うことはできません。
税務面は税理士、売買手続きの実務は宅建業免許を持つ専門家、というように役割を分けて相談することが現実的です。
当事務所では、必要に応じてパートナー税理士と連携してサポートしています。
Q5-6. ファイナンシャルプランナー(FP)に相談するのはどうですか?
A. ライフプランや家計の観点から住宅ローンを検討したい場合には、ファイナンシャルプランナー(FP)への相談が有効な場面があります。
FPの強みは、現在の収支・資産状況・将来のキャッシュフローを踏まえた上で、ライフプランから逆算した無理のない借入可能額を提案してくれる点です。
「いくらまでなら返済できるか」を家計全体の視点で整理したい方には、心強い存在です。
また、住宅ローンの申し込み先となる銀行の候補を提案してくれることもあります。
ただし、親族間売買特有の審査対策(売買の合理性の説明、適正価格の設定、金融機関へ提出する補足資料の作成など)については、一般的なFPの業務範囲外となるため、対応できるケースは限られます。
親族間売買に精通したFPでなければ、通常の住宅ローン相談と同じアドバイスにとどまることも少なくありません。
また、売買手続きの実務(売買契約書・重要事項説明書の作成、住宅ローン手続きへの実務的関与など)を業として行うことはFPの業務範囲外です。
親族間売買でFPを活用する場合は、「家計・借入可能額の整理はFPに、売買手続きの実務・金融機関対応は宅建業免許を持つ専門家に」と役割を分けるのが現実的です。
あわせて読みたい
親族間売買の住宅ローンを通すための具体的なノウハウについては、以下のメインページで詳しく解説しています。
[→ 親族間売買で住宅ローンが組める銀行と通し方を詳しく見る]
当事務所でサポートした親族間売買の相談事例をご紹介します。
あなたのケースと類似する問題解決事例があるかもしれません。
ぜひご参考になさってみてください。
[→ 親族間売買の相談事例・実績一覧(お客様の声)を詳しく見る]
『無料個別相談』のご案内
このページだけではお伝えし切れない情報も多くありますし、「では、自分のケースではどうなのか?」と思われる方もいらっしゃるかと思います。
個別の疑問にもお答えしていますので、どうぞお気軽にご相談ください。
> メールで相談する
また、メール相談と比べると、「面談」の方が相手に伝わる情報量が圧倒的に多くなります。
当事務所の『無料個別相談』をご利用いただければ、今あなたが必要としている問題解決の方法を、効率的かつ具体的に知ることができます。
どうぞお気軽にご利用ください。
最新記事 by 鉾立 栄一朗 (全て見る)
- 親族間売買の相談先はどこ?専門家の特徴をケース別に解説【親族間売買FAQ】 - 2026年4月22日
- 親族間売買の住宅ローンは金利の高いノンバンクしか組めない?【親族間売買FAQ】 - 2026年4月2日
- 親族間売買でフラット35に落ちたら、別の金融機関でも通らない?【親族間売買FAQ】 - 2026年3月25日
- 住宅ローンの審査は、同じ保証会社なら銀行を変えても結果は同じ?【親族間売買FAQ】 - 2026年2月27日
- 相続で家の名義を変更(登記)する際に必要となる書類は? - 2020年6月18日






