「専門家にお願いするなら、鉾立先生が良いんじゃないか」――この一言から始まったご相続のサポート事例があります。
今回ご紹介する事例は、お父様の代から商店街で畳屋を営んでこられたご家族の相続手続きです。
自宅に古い根抵当権が設定されたまま残っており、その抹消書類一式の所在が不明という想定外の問題が判明したケースでした。
このご家族と長年お付き合いのある信用金庫で渉外係を務めるK.M様(26歳)に、当事務所をご紹介いただいた経緯や、金融機関の現場で感じていることをお伺いしました。

【聞き手】
鉾立 栄一朗(ほこだて えいいちろう)
行政書士・宅地建物取引士/財産承継コンサルタント
行政書士 鉾立榮一朗事務所 代表/Change&Revival株式会社 代表取締役
宅地建物取引業免許 東京都知事(3)第94647号
専門は、相続・遺言、親族間の不動産売買・贈与、家族信託、会社設立・営業許認可申請等の各種法務実務の実践。
今回は、ご相続のご依頼をきっかけにご縁のあった信用金庫職員様に、当事務所をご紹介いただいた背景を伺いました。▶ プロフィール詳細はこちら
事例の概要
| ご相談者 | 東京都練馬区在住のお客様(60代)。 亡きお父様は商店街で畳屋を営んでいた。 |
| きっかけ | お母様の体調を心配し、相続発生後の手続きについて不安を抱えていた。 |
| 紹介の経緯 | 30年来お付き合いのある信用金庫内の朝のミーティングで当事務所が話題になり、相続発生前に面談を設定。 |
| 物件の特徴
|
自宅(土地・建物を母・子で2分の1ずつ共有)に、商売をされていた頃の古い根抵当権が設定されたまま残存。 残債はないが、抹消書類一式の所在が不明。 |
| 解決方法 | 法務局から金融機関への確認通知をもとに登記を進める「事前通知制度」を活用し、パートナー司法書士と連携して根抵当権抹消と名義変更を一貫してサポート |
お父様は長年商売をされており、何かあれば信用金庫に相談するのが当たり前という関係性が30年にわたって続いていました。
お母様の介護が続く中、「相続になったらどこに相談すればいいのか」という不安を抱えながらも、なかなか一歩を踏み出せない状況にありました。
こうした中、信用金庫の担当者様から当事務所をご紹介いただき、相続発生前に一度ご相談の機会を持たせていただきました。
その後、実際に相続が発生してから正式にご依頼をいただき、手続きを進める過程で、自宅に設定されたままだった古い根抵当権の抹消書類一式が見つからないという問題が判明します。
最終的には「事前通知制度」を活用し(パートナー司法書士と連携)、根抵当権の抹消と名義変更までを無事に完了させることができました。
信金職員K.M様の声(インタビュー)
――あなたの仕事の内容について教えてください。
お客様の先を回る渉外係をしています。
――今回の案件の経緯についてお聞かせください。
(自宅に古い根抵当権が残っていたケースの相続手続きサポート)
担当している客先の息子さんが、お母様の体調をとても心配されていて、ご相続が発生した場合に「今後の手続きはどうしたらいいのか」「誰に相談すればいいのか」という不安を抱えていらっしゃいました。
毎朝のミーティングで、「専門家にお願いするなら、鉾立先生が良いんじゃないか」という話が出まして、まずは面談を設定させていただきました。
実際にお母様の相続が発生した後も、「鉾立先生に話を聞いてもらっているから、またお願いするのが良いのでは」という流れになり、今回のご依頼につながりました。
何から何まで対応していただき、担当として本当に感謝しています。
――どんな方が当事務所の機能を活用すると良いと思いますか?
ちょっとした相続絡みの相談でも、まずは気軽に鉾立先生に聞いてみると良いと思います。
用語解説:根抵当権と事前通知制度
根抵当権(ねていとうけん)
一定の範囲内で繰り返し発生する債権を、決められた上限額(極度額)まで担保する抵当権の一種です。
事業者が金融機関と継続的に取引を行う際、その都度抵当権を設定し直す手間を省くために利用されることが多く、完済しても自動的には抹消されません。
今回のケースのように、すでに商売を廃業された後も、登記簿上は根抵当権がそのまま残っているケースは少なくありません。
事前通知制度
不動産登記の手続きにおいて、抹消書類など本来必要な書面が見当たらない場合に利用できる制度です。
法務局が登記義務者(このケースでは根抵当権者である金融機関)に対して登記内容を確認する通知を送付し、一定期間内(2週間以内)に異議の申し出がなければ、その内容で登記を進めることができます。
書類の所在が不明になった古い権利の整理において、有効な解決手段となる制度です。
このご相談から見えること
このインタビューから見えてくるのは、相続の専門家選びにおいて「相続発生前に相談できる相手を確保しておく」ことの重要性です。
今回のケースでは、お母様の介護が続く中、お客様が「相続になったらどこに相談すればいいのか」という不安を長く抱えながらも、なかなか相談に踏み出せない状況がありました。
そこに、信用金庫の担当者様から声をかけていただいたことで、相続発生前に一度専門家と話す機会を持ち、流れや費用感を把握できたことが、その後の安心につながりました。
また、自宅に古い根抵当権が残っているケースは、ご家族だけでは「何をどう確認すればよいのか分からない」という状況に陥りやすいテーマです。
今回は残債がないことが確認できたものの、抹消書類一式の所在が不明という、想定外の問題が手続きの途中で判明しました。
こうした場合でも、事前通知制度の活用とパートナー司法書士との連携によって解決できる道があることは、同様の不安を抱えるご家族にとって参考になるはずです。
完済済みであっても登記簿上は権利が残り続けるため、相続登記や不動産売却の前提として、早い段階で根抵当権の状況を確認しておくことが望ましいでしょう。
金融機関の渉外担当者様にとっても、お客様の将来的な不安に寄り添う中で、適切な専門家へつなぐ判断は重要な役割の一つです。
今回のように、長年の信頼関係を背景に相続発生前の段階からご紹介いただくケースは、結果としてお客様・金融機関・専門家の三者にとって良い形につながりやすいと感じています。
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