相続税の計算上、不動産はどのように評価すればよいのでしょうか?

こんにちは、財産承継コンサルタント/行政書士の鉾立です。

今回は、相続手続きに関してよくいただく質問に、Q&A形式で回答します。

 


 

Q. 相続税の計算上、不動産はどのように評価すればよいのでしょうか?

夫が亡くなり、相続税のことが心配です。

夫の財産は、不動産と預貯金になります。

相続税の計算上、不動産はどのように評価すればよいのでしょうか?

 

A. 土地は路線価方式または倍率方式で評価し、家屋は固定資産税評価額が評価額となります。

 

相続税の計算上、不動産は、土地家屋(建物)を分けて評価します。

 

土地の評価方法について

土地評価方法には、路線価方式倍率方式があります。

 

路線価方式

路線価とは、道路に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額のことを言います。

路線価が定められている地域では、通常、一つ一つの道路に、1平方メートル当たりの価額がつけられています。(千円単位で表示されています。)

路線価は、国税庁のサイトから調べることができます。

※参考 国税庁ホームページ 路線価

このサイトから対象不動産に面する道路の路線価を調べて、その路線価に対象不動産の面積を乗じて土地の評価額を算出します。

例えば、

・路線価500,000円/㎡
・土地面積100㎡

の場合は、

路線価500,000円/㎡ × 土地面積100㎡ = 土地の評価額50,000,000円

となります。

 

※1 宅地の奥行が短すぎたり、長すぎたりする場合、路線価方式で算出した評価額に奥行価格補正率を乗じて評価額を引き下げる調整をします。(※参考 国税庁ホームページ 奥行価格補正率表 付表1

※2 角地や準角地については、正面路線価で算出した評価額に、側方路線価に側方路線影響加算率を乗じて算出した額を加算して評価額を引き上げる調整をします。(※参考 国税庁ホームページ 側方路線影響加算率表 付表2

※3 正面と裏面が道路に接している宅地については、正面路線価で算出した評価額に、裏面路線価に二方路線影響加算率を乗じて算出した額を加算して評価額を引き上げる調整をします。(※参考 国税庁ホームページ 二方路線影響加算率表 付表3

※4 ※1~※2と同様に、不整形地、間口狭小地、奥行長大地、がけ地についても、補正率を乗じて評価額を引き下げる調整をします。

※5 路線価が設定されていない道路のみに接している宅地については、管轄の税務署に特定路線価の設定を求めることができます。(※参考 国税庁ホームページ 特定路線価設定申出書

 

倍率方式

倍率方式は、路線価が定められていない地域の評価方法になります。

倍率方式における土地の価額は、その土地の固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて評価額を算出します。

固定資産税評価額は、毎年不動産の所有者宛に郵送で送られてくる「固定資産税・都市計画税納税通知書」に同封されている課税明細書に記載されています。

・倍率方式の地域かどうか
・土地の固定資産税評価額に乗じる倍率

については、国税庁のサイトから調べることができます。

※参考 国税庁ホームページ 路線価

 

借地権の評価

借地権とは、地主から土地を借りている権利のことをいいます。

借地権は、自用地評価額に借地権割合を乗じて評価額を算出します。

借地権割合は、国税庁のサイトから調べることができます。

※参考 国税庁ホームページ 路線価

例えば、

・路線価500,000円/㎡
・土地面積100㎡
・借地権割合80%

の場合は、

路線価500,000円/㎡ × 土地面積100㎡ = 土地の評価額50,000,000円
土地の評価額50,000,000円 × 借地権割合80% = 借地権の評価額40,000,000円

となります。

 

貸宅地(底地)の評価

貸宅地(底地)とは、借地人に貸している土地のことをいいます。

貸宅地(底地)は、自用地評価額から借地権相当額を控除して評価額を算出します。

自用地評価額 × (1 - 借地権割合)

 

貸家建付地の評価

貸家建付地とは、自分の土地上にアパートやマンションを建設して、他人に部屋を貸している土地のことをいいます。

貸家建付地は、賃借人の使用する土地部分と家屋部分を、自用地評価額から控除した金額を評価額とします。

自用地評価額 × ( 1 - 借地権割合 × 借家権割合0.3 × 賃貸割合(%))

 

私道の評価

通抜け道路のように不特定多数の者の通行の用に供されている私道の場合は、その私道の価額は評価しないことになっています。

袋小路のように専ら特定の者の通行の用に供されている私道の場合は、路線価方式または倍率方式によって評価した価額の30%相当額で評価額を算出します。

 

家屋(建物)の評価方法について

 

自家用家屋の評価

自家用家屋の評価は、固定資産税評価額と同じ価額になります。

固定資産税評価額は、毎年不動産の所有者宛に郵送で送られてくる「固定資産税・都市計画税納税通知書」に同封されている課税明細書に記載されています。

 

貸家の評価

貸家は、賃借人の使用する家屋部分を、自家用家屋の評価額から控除した金額を評価額とします。

固定資産税評価額 × (1 - 借家権割合0.3)

 

★なお、相続した土地が事業の用や居住の用として使われている場合には、限度面積までの部分について、その評価額の最大8割を減額することができる相続税の特例(小規模宅地等の特例)があります。(※参考 国税庁ホームページ 小規模宅地等の特例) 

 


以上、ご参考になさってみてください。
では、次回の【財産承継ミニセミナー】でまたお会いしましょう。

 

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この記事を執筆している専門家
鉾立 栄一朗

財産承継コンサルタント
/行政書士・宅地建物取引士

行政書士 鉾立榮一朗事務所 代表
Change&Revival株式会社 代表取締役 

法律に関わる各種手続きでお困りの方を “専門家の知恵” と “最適な手続き” でバックアップする法律手続アドバイザー。

会社員時代、実家の金銭問題をそばで支えた体験から、事業や財産の問題で困っている人のサポート役になろうと決意。

合同法務事務所で働きながら行政書士の資格を取得するも、流れ作業的な書類作成・申請手続代行といった依頼者の想いや意思決定プロセスに関われないポジションに限界を感じ、相談業務を習得すべく経営(企業再生)コンサルティング会社に入社。

地域金融機関の専属アドバイザーとして年間50件以上の顧客相談に対応し、「身近に相談できる人がいない」、「知り合いに相談してみたが、満足な回答が得られない」と悩む企業や個人の経営問題・財産問題の解決に従事する。

専門は、相続・遺言、贈与・売買、営業許認可申請等の各種法務実務の実践。相談者の悩みを解決する最適な手続き・手法を提案し、必要に応じて適材適所、各分野の専門家をコーディネートする。

家族は、妻と息子と猫(キジトラ雄)。

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