相続人が遠距離に散らばっている際の遺産分割協議書作成のポイント

こんにちは、財産承継コンサルタント/行政書士の鉾立です。

今回は、相続手続きに関してよくいただく質問に、Q&A形式で回答します。

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Q. 相続人全員が一堂に集まるのが難しい場合、遺産分割協議書への署名・押印はどのように行えばいいでしょうか?

子供がいなかった叔母が亡くなり、甥である私が相続手続きを行っています。

叔母の預金を相続人でどのように分けるのかは決まりましたが、相続人の人数が多いうえに、皆、全国に散らばって住んでおり、中には高齢で遠くまで歩くことが難しい者もいます。

相続人全員が一堂に集まるのが難しい場合、遺産分割協議書への署名・押印はどのように行えばいいでしょうか?

 

A. 相続人の人数が多い場合や、相続人が遠距離に散らばっている場合、遺産分割協議書への署名・押印は、郵送での持ち回りで行うことができます。

 

遺産分割協議書を郵送の持ち回りで署名・押印する際のポイント

遺産分割協議書を郵送の持ち回りで署名・押印する際は、次のポイントを各相続人に伝えると良いでしょう。

 

1. 印鑑証明書の取得について

遺産分割協議を伴う相続手続きでは、各相続人の印鑑証明書が必ず必要となりますので、各相続人に印鑑証明書の取得を依頼します。

なお、印鑑証明書の通数ですが、預金の解約手続きや相続登記など、ほとんどの手続きで印鑑証明書は原本を返却してもらえるので、各相続人につき1通取得すれば足りるケースがほとんどです。

もっとも、金融機関によっては原本を提出する必要があるケースもあるので、金融機関に確認のうえ、各相続人に必要な通数の印鑑証明書の取得を依頼します。

 

2. 住所・氏名について

住所・氏名は、鉛筆など消せるものではなく、ボールペンなど消えないもので書きます。

また、書き間違いを防ぐために、印鑑証明書の記載の通りに住所・氏名を書くと良いでしょう。(例えば、氏名に旧字を使っている場合は、印鑑証明書の記載の通りに氏名を書きます。)

なお、書き間違いをしてしまった場合は、間違ってしまった文字を二重線で消して、余白に正しい文字を書きます。

その後、二重線の上から実印で訂正印を押すことで修正することができます。

 

3. 実印の押印について

住所・氏名の横に、印鑑証明書と同じ印鑑(実印)を押します。

その際、印影がにじんだり、欠けたりしないように、鮮明に押します。

もし、印影がにじんでしまったり欠けてしまったりした場合は、押し直しすることもできます。

ただし、押し直しをする際は、すでに押した実印に重ならないようにします。

 

4. 日付について

日付については、相続人全員の署名押印が揃った日に入れれば良いでしょう。

※ただし、相続税の申告がある場合で、申告期限内に遺産分割協議が終わっていないと受けられない特例がある場合は日付に注意する必要があります。

 

5. 郵送方法について

遺産分割協議書と印鑑証明書は、個人情報を含んだ大切な書類になりますので、配達時に原則手渡しで、かつ追跡が可能な、簡易書留やレターパックプラスで郵送すると良いでしょう。

このQ&Aに関する補足コメント

このQ&Aのように、相続人の人数が多い場合や、相続人が遠距離に散らばっている場合の相続手続きは、手続きが煩雑になるケースが多くなります。

生前に遺言書を作成しておけば、遺産分割協議書を作成する必要はありません。

後の手続きのためにも、遺言書を作成を検討すると良いでしょう。

 

以上、ご参考になさってみてください。

 

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鉾立 栄一朗
豊富な知識・経験・事例を持つ「財産承継手続きの専門家」 行政書士 鉾立榮一朗事務所 代表 Change&Revival株式会社 代表取締役 (宅地建物取引業免許 東京都知事(3)第94647号) 行政書士・宅地建物取引士 財産承継コンサルタント 財産・事業に関わる各種手続きでお困りの方を “専門家の知恵” と “最適な手法” でサポートする財産承継手続きの専門家。 20代会社員のとき、実家の金銭問題をそばで支えた体験から、お金や不動産など財産の問題で困っている人のサポート役になろうと決意。 その後、司法書士・行政書士・土地家屋調査士の合同事務所で働きながら、法務手続き実務を体得。 前職の財産・企業再生コンサルティング会社では、地域金融機関の専属アドバイザーとして年間50件以上の顧客相談に対応し、「身近に相談できる人がいない」、「知り合いに相談してみたが、満足な回答が得られない」と悩む個人や企業の財産問題・経営問題の解決に従事する。 専門は、相続・遺言、親族間の不動産売買・贈与、家族信託、会社設立・営業許認可申請等の各種法務実務の実践。 相談者の悩みを解決する最適な手法・手続きを提案し、必要に応じて適材適所、各分野の専門家をコーディネートする。