生前贈与を行う際の税金の知識と注意点② 贈与税がかからない場合はあるの?

こんにちは、財産承継コンサルタント/行政書士の鉾立です。

今回は、生前贈与を行う際の税金の知識と注意点として、「どのような場合に贈与税がかからないのか?」について解説します。

 


 

贈与税は、原則として、贈与を受けたすべての財産に対してかかります。

ただし、その財産の性質や、贈与の目的などからみて、例えば、次のような財産については贈与税がかかりません。

1. 扶養義務者からもらった通常必要と認められる「生活費」や「教育費」

夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から「生活費」や「教育費」に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるものについては、贈与税はかかりません。

なお、ここでいう「生活費」とは、もらう人にとって通常の日常生活に必要な費用のことをいい、「教育費」とは、学費や教材費、文具費などのことをいいます。

なお、贈与税がかからない財産は、生活費や教育費として、必要な都度、直接これらに充てるためのものに限られます。

生活費や教育費の名目で贈与を受けた場合でも、それを預金したり、株式や不動産などの購入資金に充てている場合には、贈与税がかかります。

2. 住宅取得等資金の贈与の特例

自己の居住用の家屋の新築や購入、増改築等の支払いに充てるために、父母・祖父母などの直系尊属から贈与を受けた金銭のうち、一定の要件を満たすものとして贈与税の課税価格に算入されなかったものについては、贈与税はかかりません。(「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税の特例」

3. まとまった教育資金の贈与の特例

まとまった教育資金として、父母・祖父母などの直系尊属から一括贈与を受けた資金のうち、一定の要件を満たすものとして贈与税の課税価格に算入されなかったものについては、贈与税はかかりません。(「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税の特例」

4. 結婚・子育て資金の贈与の特例

結婚・子育て資金として、父母・祖父母などの直系尊属から一括贈与を受けた資金のうち、一定の要件を満たすものとして贈与税の課税価格に算入されなかったものについては、贈与税はかかりません。(「直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税の特例」

 

なお、上記2.3.4.の特例を受けるためには、各特例について定められている要件を満たす必要があるほか、税務署・金融機関等に対する手続きが必要となるので注意が必要です。

 


 

以上、ご参考になさってみてください。

では、次回の【財産承継ミニセミナー】でまたお会いしましょう。

 

この記事を執筆している専門家
鉾立 栄一朗

財産承継コンサルタント
/行政書士・宅地建物取引士

行政書士 鉾立榮一朗事務所 代表
Change&Revival株式会社 代表取締役 

法律に関わる各種手続きでお困りの方を “専門家の知恵” と “最適な手続き” でバックアップする法律手続アドバイザー。

会社員時代、実家の金銭問題をそばで支えた体験から、事業や財産の問題で困っている人のサポート役になろうと決意。

合同法務事務所で働きながら行政書士の資格を取得するも、流れ作業的な書類作成・申請手続代行といった依頼者の想いや意思決定プロセスに関われないポジションに限界を感じ、相談業務を習得すべく経営(企業再生)コンサルティング会社に入社。

地域金融機関の専属アドバイザーとして年間50件以上の顧客相談に対応し、「身近に相談できる人がいない」、「知り合いに相談してみたが、満足な回答が得られない」と悩む企業や個人の経営問題・財産問題の解決に従事する。

専門は、相続・遺言、贈与・売買、営業許認可申請等の各種法務実務の実践。相談者の悩みを解決する最適な手続き・手法を提案し、必要に応じて適材適所、各分野の専門家をコーディネートする。

家族は、妻と息子と猫(キジトラ雄)。

毎月第1土曜日に『無料個別相談』実施中。
https://www.hokodate-jimusyo.com/soudankaib.html

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