独身者に相続が発生した場合の手続きはどうなる?

こんにちは、財産承継コンサルタント/行政書士の鉾立です。

今回は、相続手続きに関してよくいただく質問に、Q&A形式で回答します。

 


 

Q. 独身の姉に万が一のことが起きた場合、相続手続きはどのようになるのでしょうか?

最近、東京に住む独身の姉が介護施設に入居しました。

すでに他の兄弟は他界しており、年が近い妹の私が、姉の身の回りの世話のために毎月横浜から施設まで通っています。

姉は以前事業をしていたのと、最近自宅マンションを売却したこともあり、ある程度の貯蓄があるようです。

子供がいない独身の姉に万が一のことが起きた場合、相続手続きはどのようになるのでしょうか?

 

A. 遺言書を作成していれば遺言書の内容に従いますが、遺言書を作成していない場合は、基本的には相続人全員で遺産分割協議を行うことになります。

 

独身の方に相続が発生した場合は、その方が遺言書を作成している場合は、その遺言書の内容に従い相続手続きを進めていくことになります。

遺言書を作成していない場合は、基本的に相続人全員で遺産分割協議を行うことになり、相続手続きは容易にはいかなくなります。

誰が相続人になるかは、その方の親族の構成によります。

  1. まず、亡くなった方に父・母がいれば父・母、父・母がいなければ祖父・祖母など、上の世代の親が相続人になります。
  2. 父・母や祖父・祖母など上の世代の親がすでに亡くなっている場合は、亡くなった方の兄弟姉妹が相続人になります。
  3. さらに、兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合は、兄弟姉妹の子(甥姪)までが相続人になります。

相続放棄する人などがいなければ、基本的にこれらの相続人全員と遺産分割協議を行うことになります。

また、独身者の相続の場合によく問題になることに、その方が残された財産の内容がよく分からないということが挙げられます。

この場合、不動産の場合は毎年役所から送られてくる固定資産税の納税通知書預貯金の場合は通帳やキャッシュカード株式や投資信託の場合は証券会社等から送られてくる取引報告書などを手掛かりに、亡くなった方の財産を調査する必要があります。

また、財産にはプラスの財産だけでなく、借入金や他人の連帯保証など、マイナスの財産などもあります。

残された相続人は、相続人の調査(戸籍謄本等の取得)に加えて、これらの遺産内容の調査も行わなければなりません。

その後に行う遺産分割協議を行う手間も考えると、中心となって手続きを進める相続人に多大な労力を強いることになります

そうならないためにも、ご相談者のようなケースでは、早めに独身のお姉様に遺言書の作成をお願いした方が良いでしょう。

 


以上、ご参考になさってみてください。
では、次回の【財産承継ミニセミナー】でまたお会いしましょう。

 

【関連記事】
相続・遺産分割・遺言執行手続きの流れ・ポイント
遺言書を作成した方が良い人一覧

 

この記事を執筆している専門家
鉾立 栄一朗

財産承継コンサルタント
/行政書士・宅地建物取引士

行政書士 鉾立榮一朗事務所 代表
Change&Revival株式会社 代表取締役 

法律に関わる各種手続きでお困りの方を “専門家の知恵” と “最適な手続き” でバックアップする法律手続アドバイザー。

会社員時代、実家の金銭問題をそばで支えた体験から、事業や財産の問題で困っている人のサポート役になろうと決意。

合同法務事務所で働きながら行政書士の資格を取得するも、流れ作業的な書類作成・申請手続代行といった依頼者の想いや意思決定プロセスに関われないポジションに限界を感じ、相談業務を習得すべく経営(企業再生)コンサルティング会社に入社。

地域金融機関の専属アドバイザーとして年間50件以上の顧客相談に対応し、「身近に相談できる人がいない」、「知り合いに相談してみたが、満足な回答が得られない」と悩む企業や個人の経営問題・財産問題の解決に従事する。

専門は、相続・遺言、贈与・売買、営業許認可申請等の各種法務実務の実践。相談者の悩みを解決する最適な手続き・手法を提案し、必要に応じて適材適所、各分野の専門家をコーディネートする。

家族は、妻と息子と猫(キジトラ雄)。

毎月第1土曜日に『無料個別相談』実施中。
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