「プロに間に入ってもらったので、スピーティーに進めることができました」――こう語ってくださったのは、東京都の信用金庫で融資課係長を務めるR.I様(40代)です。
今回ご紹介する事例は、当事務所がサポートした、離婚した元夫名義の自宅・住宅ローンを、同居する息子様が引き継ぐことを目的とした、親子間の戸建売買です。
当事務所が案件の経緯を整理した資料を準備したうえで金融機関へ持ち込んだことで、保証決定・審査承認までスムーズに進みました。
金融機関の担当者様の視点から、案件を振り返ってお話をお伺いしました。

【聞き手】
鉾立 栄一朗(ほこだて えいいちろう)
行政書士・宅地建物取引士/財産承継コンサルタント
行政書士 鉾立榮一朗事務所 代表/Change&Revival株式会社 代表取締役
宅地建物取引業免許 東京都知事(3)第94647号
専門は、親族間の不動産売買・贈与、相続・遺言、家族信託、会社設立・営業許認可申請等の各種法務実務の実践。
今回は、親子間戸建売買の住宅ローン案件でご一緒した信用金庫職員様に、案件を振り返ってお話を伺いました。▶ プロフィール詳細はこちら
【動画で解説】親子間戸建売買の住宅ローン事例|信用金庫職員R I様の声(1分40秒)
お急ぎの方や移動中の方は、まずこちらの動画(1分40秒)でポイントをご確認ください。
事例の概要
| ご相談者 | ・お母様(M.Y様、50代) ・息子様(20代、住宅ローン引継ぎ主体) |
| 背景 | 離婚したM.Y様の元夫名義の自宅・住宅ローンを、同居する息子様が引き継ぐことを目的とした親子間売買を検討。 |
| 案件の特徴 | 元夫様への説明・売買価格の合意形成が必要。 当事務所が元夫様へのオンライン説明と売買条件の合意形成を担う。 |
| 金融機関への対応 | 書類を整えたうえで地元信用金庫へ住宅ローン審査を申し込み。 案件の経緯を整理した資料により、金融機関側の状況把握がスムーズだった。 |
| 結果 | 保証会社の保証決定と本審査の承認を取得し、親子間売買による自宅の名義変更と住宅ローンの実質的な引継ぎを実現。 |
今回の案件は、離婚した元夫名義の自宅・住宅ローンを、同居する息子様に引き継いでもらいたいというM.Y様のご相談から始まりました。
当初は「親子間で簡単に引継ぎができる」と考えていらっしゃいましたが、ご自身で調べる中で「親子間売買が必要」「難易度が高い」という情報に触れ、不安を抱えていらっしゃったとのこと。
当事務所では、親族間売買における価格設定のレンジや、対応可能な保証会社・金融機関について丁寧にご説明したうえで、元夫様にもオンラインで説明を行い、売買価格の合意形成と諸条件の決定をサポートしました。
売買について基本的な合意ができた後、息子様とともに地元信用金庫への住宅ローン審査を申し込み、無事に保証決定と本審査の承認を取得。
住宅ローンが実行され、親子間売買による息子様への自宅の名義変更、住宅ローンの実質的な引継ぎサポートさせていただきました。
信金職員R.I様の声(インタビュー)
――普段のお仕事の役割や、お客様対応で大切にしていることを教えてください。
融資課の責任者として、“長”という立場なので、課のすべてを見ています。
お客様対応では、顧客第一主義で、丁寧に接客することをずっと心がけています。
――今回、当事務所と一緒に案件を進めてみて、どのように感じましたか。
(離婚した夫名義の自宅・住宅ローンを息子が引き継ぐことを目的とする、親子間の戸建売買サポート)
お客様と私が一対一でやり取りするより、プロに間に入ってもらったほうが書類のやり取りがスムーズだと感じました。
お客様には分かりづらいことも多く、「これって何の書類?」という場面も多いので、ご自身で対応するのはなかなか難しいと思います。
プロに間に入ってもらったので、スピーティーに進めることができました。
書類も揃っていたので、保証決定も早かったです。
――今回の案件で、特にポイントになった部分はどこだと思われますか。
初めに、売買までの経緯についての資料をいただきましたが、あのような資料があったことで全体的に案件を把握することができました。
一般的な不動産業者さんだと、経緯が分かっていないことが多いので、あの資料はとても助かりました。
――どのようなお客様(または職員様)が、当事務所を活用すると特に良いと思われますか。
住宅ローンは、今は50年の期間の商品もあり、時代が変わってきています。
若い人はローンを組みやすくなっている一方で、商品について理解することがなかなか難しい部分もあると思います。
そんな若い方のサポートをされると良いのではないかと思います。
用語解説:親族間売買と保証決定
親族間売買(しんぞくかんばいばい)
親子・兄弟姉妹・元配偶者を含む親族関係にある当事者間で不動産を売買することです。
法律上の手続きは一般的な売買と同じですが、当事者間で売買条件を操作できるとみなされやすいため、金融機関の住宅ローン審査が通りにくい傾向があります。
今回のように、離婚後に元夫様から息子様へ名義を変更するケースでも、当事者間の合意形成や、売買価格の妥当性を丁寧に整理することが重要です。
保証決定
住宅ローンの借り入れにおいて、保証会社が「この借主であれば保証を引き受けられる」と判断することです。
保証決定が下りることで、金融機関は本審査を進めることができます。
保証会社の審査では、借主の返済能力に加えて、親族間売買特有の事情(価格の妥当性・売買の必要性など)が確認されるため、経緯を整理した資料の有無が審査スピードに影響します。
このご相談から見えること
R.I様のインタビューで印象的だったのは、「お客様と私が一対一でやり取りするより、プロに間に入ってもらったほうが書類のやり取りがスムーズ」という言葉です。
住宅ローンの手続きに不慣れなお客様にとって、金融機関から求められる書類の意味を理解することは容易ではありません。
専門家が間に入ることで、お客様・金融機関双方の負担が軽減され、結果として審査のスピードにもつながります。
また、「売買までの経緯についての資料」が案件把握に役立ったという点も重要な示唆です。
一般的な不動産業者では、親族間売買特有の背景事情まで整理されていないことが多く、金融機関側が案件を理解するまでに時間がかかるケースが少なくありません。
経緯・必要性・当事者間の合意形成のプロセスを整理した資料を用意することが、審査をスムーズに進める鍵となります。
さらに、R.I様が指摘された「住宅ローン商品の多様化(50年ローンなど)と若い世代の理解の難しさ」という視点は、今後の住宅ローンの利用ニーズを考えるうえでも示唆に富んでいます。
制度が複雑化する中で、親族間売買の専門家によるサポートの重要性は一層高まっている感じています。
関連記事・関連ページ
最新記事 by 鉾立 栄一朗 (全て見る)
- 親族間売買の代金と親子・兄弟の金銭貸し借りは相殺可能?【親族間売買FAQ】 - 2026年10月2日
- 親族間売買で分割払いはできる?住宅ローンを組まない方法は?【親族間売買FAQ】 - 2026年9月25日
- 親子間戸建売買の住宅ローン事例|信用金庫職員R.I様の声 - 2026年8月27日
- おじ・おばが相続した不動産を、甥や姪が買うことはできる?【親族間売買FAQ】 - 2026年7月29日
- 姉弟・親子間戸建売買の住宅ローン事例|信用金庫職員H様の声 - 2026年7月2日



