相続法改正⑤ 遺留分制度はどのように変わる?

こんにちは、財産承継コンサルタント/行政書士の鉾立です。

平成30年7月6日、民法の一部(相続法)を改正する法律が成立しました。

遺言作成の際によく問題となる「遺留分」については、次の2点において、従来の制度から見直しがありました。

●ポイント1
遺留分減殺請求権の行使によって当然に物権的効果が生ずるとされている現行法の規律を見直し、遺留分に関する権利の行使によって遺留分侵害額に相当する金銭債権が生ずることにする。

●ポイント2
遺留分権利者から金銭請求を受けた受遺者又は受贈者が、金銭を直ちには準備できない場合には、受遺者等は、裁判所に対し、金銭債務の全部又は一部の支払につき期限の許与を求めることができる。

現行の遺留分制度では、例えば、

①遺留分減殺請求権の行使によって土地・建物等に共有状態が生ずることになるため、土地・建物を管理・処分する際や事業承継の支障となる

②遺留分減殺請求権の行使によって生じる共有割合は、目的財産の評価額等を基準に決まるため、通常は分母・分子ともに極めて大きな数字となり、持分権の処分に支障が出るおそれがある

などの問題がありました。

この新しい遺留分制度を導入することにより、

①遺留分減殺請求権の行使により共有関係が当然に生ずることを回避することができる。

②遺贈や贈与の目的財産を受遺者等に与えたいという遺言者の意思を尊重することができる。

ようになります。

なお、遺留分制度の見直しに関する改正法は、2019年(令和元年)7月1日から施行されます。

 

では、次回の【財産承継ミニセミナー】でまたお会いしましょう。

 

※ご参考
公正証書遺言作成手続きの流れ・手順・ポイント

この記事を執筆している専門家
鉾立 栄一朗

財産承継コンサルタント
/行政書士・宅地建物取引士

行政書士 鉾立榮一朗事務所 代表
Change&Revival株式会社 代表取締役 

法律に関わる各種手続きでお困りの方を “専門家の知恵” と “最適な手続き” でバックアップする法律手続アドバイザー。

会社員時代、実家の金銭問題をそばで支えた体験から、事業や財産の問題で困っている人のサポート役になろうと決意。

合同法務事務所で働きながら行政書士の資格を取得するも、流れ作業的な書類作成・申請手続代行といった依頼者の想いや意思決定プロセスに関われないポジションに限界を感じ、相談業務を習得すべく経営(企業再生)コンサルティング会社に入社。

地域金融機関の専属アドバイザーとして年間50件以上の顧客相談に対応し、「身近に相談できる人がいない」、「知り合いに相談してみたが、満足な回答が得られない」と悩む企業や個人の経営問題・財産問題の解決に従事する。

専門は、相続・遺言、贈与・売買、営業許認可申請等の各種法務実務の実践。相談者の悩みを解決する最適な手続き・手法を提案し、必要に応じて適材適所、各分野の専門家をコーディネートする。

家族は、妻と息子と猫(キジトラ雄)。

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