遺言書を作成した後、本人より先に相続人が亡くなった場合は?

こんにちは、財産承継コンサルタント/行政書士の鉾立です。

今回は、遺言の作成に関してよくいただく質問に、Q&A形式で回答します。

 


 

Q.
私たち夫婦には子供がいません。

そこで、「すべての財産を配偶者に相続させる」という内容の遺言書を夫婦で作ろうと考えています。

そこで質問なのですが、私より先に妻が亡くなった場合、私が作った「すべての財産を妻に相続させる」という内容の遺言書はどうなってしまうのでしょうか?

私には疎遠になっている甥姪がいるのですが、彼らには私の財産を一切相続させたくありません。

私より先に妻が亡くなった場合は、財産はすべて慈善団体に寄付したいと考えています。

 

A.
遺言で、ある相続人を指定して財産を相続させるとしていた場合、遺言者本人より先にその指定されていた相続人が死亡していたときは、本人の相続時に相続させる人が

不在となりますので、その遺言は(「相続させる」とした箇所について)効力が生じないことになります。

もし、自分より先に奥様がお亡くなりになったときは、「すべての財産を妻に相続させる」とした遺言があなたの相続時に使えなくなってしまいますので、奥様がお亡くなりになった時点で、「すべての財産を慈善団体に寄付する」という内容の遺言に作り直す必要があります。

もっとも、その時点で、例えばあなたが重度の認知症になっている場合など、遺言を作り直すことができなくなっているかもしれません。

実務上は、そのような可能性も考慮して、最初の遺言作成時に次のような文言の遺言を作成することがあります。

「妻○○が私と同時に、または私より先に死亡した時は、この遺言により妻○○に
相続させるとした財産を、○○(慈善団体)に遺贈する」

これを、予備的遺言といいます。

遺言にこのような文言を予備的に記載することで、もし自分より先に奥様がお亡くなりになった場合でも、あなたの相続時に自分で指定した慈善団体に財産を譲ることができます。

 


 

以上、ご参考になさってみてください。

では、次回の【財産承継ミニセミナー】でまたお会いしましょう。

 

※ご参考
公正証書遺言作成手続きの流れ・手順・ポイント

この記事を執筆している専門家
鉾立 栄一朗

財産承継コンサルタント
/行政書士・宅地建物取引士

行政書士 鉾立榮一朗事務所 代表
Change&Revival株式会社 代表取締役 

法律に関わる各種手続きでお困りの方を “専門家の知恵” と “最適な手続き” でバックアップする法律手続アドバイザー。

会社員時代、実家の金銭問題をそばで支えた体験から、事業や財産の問題で困っている人のサポート役になろうと決意。

合同法務事務所で働きながら行政書士の資格を取得するも、流れ作業的な書類作成・申請手続代行といった依頼者の想いや意思決定プロセスに関われないポジションに限界を感じ、相談業務を習得すべく経営(企業再生)コンサルティング会社に入社。

地域金融機関の専属アドバイザーとして年間50件以上の顧客相談に対応し、「身近に相談できる人がいない」、「知り合いに相談してみたが、満足な回答が得られない」と悩む企業や個人の経営問題・財産問題の解決に従事する。

専門は、相続・遺言、贈与・売買、営業許認可申請等の各種法務実務の実践。相談者の悩みを解決する最適な手続き・手法を提案し、必要に応じて適材適所、各分野の専門家をコーディネートする。

家族は、妻と息子と猫(キジトラ雄)。

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