遺言書と生前贈与、どちらがいいの?①

こんにちは、財産承継コンサルタント/行政書士の鉾立です。

今回は、遺言の作成に関してよくいただく質問に、Q&A形式で回答します。

 


 

Q.
地方に住む親が持つ不動産の相続についてご相談です。

相続後に管理できる実家と、管理できない山林があります。

親に遺言を作ってもらうことを検討していますが、他に何か良い方法はありますでしょうか?

 

A.
地方にある山林や田畑など、相続しても管理できず、また売却も難しい不動産があると、固定資産税だけがかかる続ける負の遺産になってしまうケースがあります。

そのまま放っておくと、次世代に相続されて、さらに権利が分散されているのに、固定資産税は特定の人が払い続けている、ということも。

ご相談のケースの場合、管理できる実家のみ子供に生前贈与し、他の管理できない不動産については相続時に家庭裁判所で相続放棄手続きを行う、という方法が考えられます。

もし、遺言によって実家を相続してしまうと、管理できない山林を相続放棄することができなくなってしまいます。

そこで、相続を待たずに(遺言を作成せずに)、実家のみ子供に生前贈与します。

生前贈与を行う場合は贈与税がかかりますが、地方の不動産の場合は評価額が低い場合が多く、課税が少なく済む可能性がありますので、一度、税額を試算してみると良いでしょう。(また、贈与時は2,500万円まで贈与税が非課税で、相続時に相続税として精算する、相続時精算課税制度の適用を検討されると良いかと思います。)

ただし、生前贈与+相続放棄を行う場合は、次の点について注意が必要です。

1.生前贈与について他の相続人と事前に話し合っておかないと、後で揉める可能性がある

2.親に債務がある場合、債権者から生前贈与が取り消される可能性がある(詐害行為取消権)

3.相続放棄をすると、他の相続人や次順位の相続人に権利義務が移るため、結果としてその方々に迷惑をかけてしまうことがある

3.については、他の相続人や次順位の相続人も一緒に相続放棄手続きをすることを検討されると良いでしょう。

 


 

以上、ご参考になさってみてください。

では、次回の【財産承継ミニセミナー】でまたお会いしましょう。

 

※ご参考
公正証書遺言作成手続きの流れ・手順・ポイント

この記事を執筆している専門家
鉾立 栄一朗

財産承継コンサルタント
/行政書士・宅地建物取引士

行政書士 鉾立榮一朗事務所 代表
Change&Revival株式会社 代表取締役 

法律に関わる各種手続きでお困りの方を “専門家の知恵” と “最適な手続き” でバックアップする法律手続アドバイザー。

会社員時代、実家の金銭問題をそばで支えた体験から、事業や財産の問題で困っている人のサポート役になろうと決意。

合同法務事務所で働きながら行政書士の資格を取得するも、流れ作業的な書類作成・申請手続代行といった依頼者の想いや意思決定プロセスに関われないポジションに限界を感じ、相談業務を習得すべく経営(企業再生)コンサルティング会社に入社。

地域金融機関の専属アドバイザーとして年間50件以上の顧客相談に対応し、「身近に相談できる人がいない」、「知り合いに相談してみたが、満足な回答が得られない」と悩む企業や個人の経営問題・財産問題の解決に従事する。

専門は、相続・遺言、贈与・売買、営業許認可申請等の各種法務実務の実践。相談者の悩みを解決する最適な手続き・手法を提案し、必要に応じて適材適所、各分野の専門家をコーディネートする。

家族は、妻と息子と猫(キジトラ雄)。

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