遺言書作成の際の注意点 遺留分を事前に放棄してもらうことはできるの?

こんにちは、財産承継コンサルタント/行政書士の鉾立です。

今回は、遺言作成の際によく問題となる「遺留分」について、Q&A形式で回答します。

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Q.
母名義の土地の上に、二男である私が住宅ローンを組んで二世帯住宅を建てることになりました。

母の将来の相続の際に、土地は私が相続する内容の遺言書を母に書いてもらおうと考えていますが、近所に住んでいる兄(長男)と姉(長女)には遺留分があると金融機関の担当者から教えてもらいました。

母の老後については、私の家族が責任を持って面倒を見るつもりです。

母の生前に、あらかじめ兄と姉に遺留分を放棄してもらうことはできますか?

 

A.
お兄様(長男)とお姉様(長女)にあらかじめ遺留分を放棄してもらうには、家庭裁判所の許可を得る必要があります。

手続きの概要は以下の通りとなります。

遺留分とは、一定の相続人のために、相続に際して法律上取得することが保障されている遺産の一定の割合のことをいいます。

この遺留分を侵害した贈与や遺贈などの無償の処分は、法律上当然に無効となるわけではありませんが、遺留分権利者が減殺請求を行った場合に、その遺留分を侵害する限度で効力を失うことになります。

遺留分を有する相続人は、相続の開始前(被相続人の生存中)に、家庭裁判所の許可を得て、あらかじめ遺留分を放棄することができます。」

「裁判所Webサイト 家事事件 遺留分放棄の許可」より引用)

この遺留分の放棄の申立てができる人は、遺留分権を有する相続人本人となります。

つまり、お兄様(長男)、お姉様(長女)ご自身にこの申立て手続きを行っていただく必要があります。

お兄様(長男)、お姉様(長女)とよくお話合いをされて、遺留分の放棄についてご理解をいただく必要があるでしょう。

なお、申立先は、被相続人(遺言者)の住所地の家庭裁判所となりますが、上記の裁判所のWebサイトから申立書をダウンロードして、郵送で申立てを行うことができます。

また申立書には、
・被相続人の戸籍謄本(全部事項証明書)
・申立人の戸籍謄本(全部事項証明書)
を添付する必要があります。

 

以上、ご参考になさってみてください。

 

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鉾立 栄一朗
豊富な知識・経験・事例を持つ「財産承継手続きの専門家」 行政書士 鉾立榮一朗事務所 代表 Change&Revival株式会社 代表取締役 (宅地建物取引業免許 東京都知事(3)第94647号) 行政書士・宅地建物取引士 財産承継コンサルタント 財産・事業に関わる各種手続きでお困りの方を “専門家の知恵” と “最適な手法” でサポートする財産承継手続きの専門家。 20代会社員のとき、実家の金銭問題をそばで支えた体験から、お金や不動産など財産の問題で困っている人のサポート役になろうと決意。 その後、司法書士・行政書士・土地家屋調査士の合同事務所で働きながら、法務手続き実務を体得。 前職の財産・企業再生コンサルティング会社では、地域金融機関の専属アドバイザーとして年間50件以上の顧客相談に対応し、「身近に相談できる人がいない」、「知り合いに相談してみたが、満足な回答が得られない」と悩む個人や企業の財産問題・経営問題の解決に従事する。 専門は、相続・遺言、親族間の不動産売買・贈与、家族信託、会社設立・営業許認可申請等の各種法務実務の実践。 相談者の悩みを解決する最適な手法・手続きを提案し、必要に応じて適材適所、各分野の専門家をコーディネートする。