相続手続きはいつまでに行う必要がある?期限がある手続きは何?

こんにちは、財産承継コンサルタント/行政書士の鉾立です。

今回は、相続手続きに関してよくいただく質問に、Q&A形式で回答します。

 


 

Q. 相続手続きはいつまでに行う必要があるのでしょうか?
すぐに行う必要がある、期限がある手続きは何でしょうか?

昨年脳梗塞で倒れた父が、先週、入居先の施設で亡くなりました。

相続手続きはいつまでに行う必要があるのでしょうか?

すぐに行う必要がある、期限がある手続きは何でしょうか?

 

A. 相続手続きには、期限がある手続きと、期限がない手続きがあります。
期限がある手続きの中でも、各手続きによって期限は異なります。

まず、死亡届については、死亡の事実を知った日から7日以内に、死亡地または本籍地または届出人の所在地の区市町村役所(場)に届け出る必要があります。

その他の「期限がある手続き」は、以下の手続きになります。

 

1. 家庭裁判所で行う相続放棄(3か月以内)

相続人が、亡くなった方のプラスの財産及びマイナスの財産の一切を受け継ぎたくないときは、家庭裁判所に対して、「相続の放棄の申述」をする必要があります。

この「相続の放棄の申述」を行う期間は、相続の開始があったことを知ったときから3か月以内となります。

また、3か月以内に、相続するか、相続を放棄するか決定できない場合は、家庭裁判所に申立てをすることにより、この3か月間の期間を延ばしてもらうことができます。

これを、「相続の承認又は放棄の期間の伸長」と言います。

この申立てについても、相続の開始があったことを知ったときから3か月以内にする必要があります。

【参考記事】
相続放棄したいのですが、どうしたらいいでしょうか?「家庭裁判所で行う相続放棄」と「事実上の相続放棄」の違い
家庭裁判所で行う相続放棄をしたいのですが、どのような手続きになるのでしょうか?

 

2. 準確定申告(4か月以内)

亡くなった方がアパート経営をしていたなど所得税の申告をしていた場合は、相続人は、1月1日から亡くなった日までに確定した所得金額及び税額を計算して、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内申告と納税をする必要があります。

これを「準確定申告」といいます。

なお、亡くなった日が、1月1日から確定申告期限(3月15日)までの間で、前年分の確定申告書を提出していないときは、準確定申告の期限は、前年分、本年分ともに相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内となります。

 

3. 相続税申告(10か月以内)

相続などによって財産を取得した人それぞれの課税価格の合計額が、「遺産に係る基礎控除額」(3,000万円+(600万円×法定相続人の数)を超える場合、その財産を取得した人は、相続税の申告をする必要があります。

この場合、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内に、亡くなった方の住所地を管轄する税務署相続税の申告と納税(納付税額が算出される場合)をしなければなりません。

 

4. 登記

4-1. 法人登記(2週間以内)

亡くなった方が会社の役員だった場合など、法人の役員変更登記を行う必要があるときは、原則として、死亡日から2週間以内に、本店所在地を管轄する法務局にて登記を申請する必要があります。

もっとも、亡くなってから2週間以内に法人登記を行うことは、スケジュール的になかなか厳しいものと思います。

実務上は、登記の申請が数か月遅れる程度なら、特段の問題なく申請は受領され、手続きが完了します。

ただし、登記の申請を数年間怠った場合などは過料を科される可能性があります。

 

4-2. 不動産登記(現在は期限なし)

現在は、不動産の相続登記は任意となっており、登記申請の期限はありません。

ただし、不動産の名義が亡くなった方の名義のまま長年放置されると、その間に次の相続が発生し、権利関係が複雑になる可能性があります。

また、相続登記を行わないと、不動産を売却したり、担保にすることができません。

期限はありませんが、次世代に問題を残さないためにも、早めに相続登記を行うのが良いでしょう。

なお現在、所有者が分からないまま放置されている空き家などの問題を解決するため、相続登記の申請の義務化(罰則あり)が検討されています。
土地の相続登記、義務化 所有者不明で対策 法制審原案 (2019/11/26付 日本経済新聞 夕刊)

 

5. 遺留分(1年間)

遺留分とは、相続の際に、法律上、一定の相続人に対して必ず保障されている、相続することができる一定の割合のことを言います。

遺留分の請求(遺留分減殺請求権の行使)には時効があり、その期間は、遺留分のある相続人が、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与または遺贈があったことを知ったときから1年間になります。

また、除斥期間といって、遺留分のある相続人が、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与または遺贈があったことを知らなかったとしても、相続の開始のときから10年で権利が消滅します。

【参考記事】
遺言書作成の際の注意点 遺留分とは?
遺言書作成の際の注意点 遺留分の請求(減殺請求権の行使)はどのように行われるの?

 


 

以上、ご参考になさってみてください。

では、次回の【財産承継ミニセミナー】でまたお会いしましょう。

 

【関連記事】
相続・遺産分割・遺言執行手続きの流れ・ポイント

 

この記事を執筆している専門家
鉾立 栄一朗

財産承継コンサルタント
/行政書士・宅地建物取引士

行政書士 鉾立榮一朗事務所 代表
Change&Revival株式会社 代表取締役 

法律に関わる各種手続きでお困りの方を “専門家の知恵” と “最適な手続き” でバックアップする法律手続アドバイザー。

会社員時代、実家の金銭問題をそばで支えた体験から、事業や財産の問題で困っている人のサポート役になろうと決意。

合同法務事務所で働きながら行政書士の資格を取得するも、流れ作業的な書類作成・申請手続代行といった依頼者の想いや意思決定プロセスに関われないポジションに限界を感じ、相談業務を習得すべく経営(企業再生)コンサルティング会社に入社。

地域金融機関の専属アドバイザーとして年間50件以上の顧客相談に対応し、「身近に相談できる人がいない」、「知り合いに相談してみたが、満足な回答が得られない」と悩む企業や個人の経営問題・財産問題の解決に従事する。

専門は、相続・遺言、贈与・売買、営業許認可申請等の各種法務実務の実践。相談者の悩みを解決する最適な手続き・手法を提案し、必要に応じて適材適所、各分野の専門家をコーディネートする。

家族は、妻と息子と猫(キジトラ雄)。

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